A03-1 温度生物学

土居班(A03-1)は、翻訳のパラメトリック調節機構に着目することにより、現在謎にみちた時間タンパク質振動体の転写によらない振動機構とその位相調節メカニズムの解明を目指します。本班ではさらに、分担研究者の原田および岡部が中心となり、温度やpHなどの細胞内物理化学量を人工的に定量・操作する方法を開発します。領域内の物理化学的計測の技術ハブを形成することにより、細胞内の物理化学的変化に基づいた振動原理の解析に貢献します。

KAKEN
翻訳のパラメトリク制御に基づく時間タンパク質の発振・位相調節機構の解明

A03-2 翻訳速度学

一般に高等真核生物における概日リズムは転写フィードバック機構によって駆動されていると考えられてきました。しかし、近年の研究によって概日リズム調節に翻訳制御が極めて重要な役割を担っていることが示唆されはじめています。その重要性に関わらず、概日リズムにおける翻訳制御の全貌は未だ不明瞭です。これは複数の概日周期に渡ってmRNA翻訳を網羅的に計測する技術が皆無であったことによります。本研究計画では、この問題を解決することのできる独自新技術HT-Thor-Ribo-Seq法を用い、大量の経時的サンプルから翻訳を網羅的にかつ定量的に計測します。最終的に、概日リズムから対象を展開し、神経活動周期、概年リズム、開花周期等多様な「時を刻む」メカニズムにおける翻訳振動を解き明かします。本研究で得られる結果は、本領域の推進の基盤データを提供するものになります。

KAKEN
時間タンパク質学:翻訳速度の大規模並列網羅解析