岡部 弘基
研究項目 A03-1 分担
温度生物学
岡部 弘基
東京大学
大学院薬学系研究科
研究キーワード:
温度生物学 細胞内局所熱科学 細胞内温度イメージング FLIM
WEBリンク:研究室 researchmap
研究概要
これまで、蛍光性の温度センサーを開発し、蛍光イメージング技術と組み合わせることで細胞内の温度測定の研究を行なってきました。この結果、細胞内温度が細胞機能と関連して自発的に1−2°C程度の変化を示すこと、特に、核やミトコンドリアといった特定のオルガネラに関連した不均一な温度分布を発見しました。これらの結果から、細胞内の局所において発生した熱がその場の生化学反応のトリガーとして機能する現象「温度シグナリング」を提唱し、その物理化学的機構と生理的意義の研究をしています。本領域では、温度シグナリングを切り口としてパラメトリックな翻訳を支える新しいメカニズムを解明することを目指しています。
主要論文
- Chuma S, Kiyosue K, Akiyama T, Kinoshita M, Shimazaki Y, Uchiyama S, Sotoma S, Okabe K, Harada Y. Implication of thermal signaling in neuronal differentiation revealed by manipulation and measurement of intracellular temperature. Nat Commun. 15: 3473. (2024)
- Ishikawa T, Sugawara K, Zhang J, Funatsu T, Okabe K. Direct observation of cytoskeleton-dependent trafficking of miRNA visualized by the introduction of pre-miRNA. iScience. 27: 108811. (2024)
- Okabe K, Uchiyama S. Intracellular thermometry uncovers spontaneous thermogenesis and associated thermal signaling. Commun Biol. 4: 1377. (2021)
- Okabe K, Inada N, Gota C, Harada Y, Funatsu T, Uchiyama S. Intracellular temperature mapping with a fluorescent polymeric thermometer and fluorescence lifetime imaging microscopy. Nat Commun. 3: 705. (2012)
略歴
東京大学大学院薬学系研究科助教
2002年東京大学薬学部卒業
2007年東京大学大学院薬学系研究科博士後期課程修了 博士(薬学)
2007年東京都医学研究機構臨床医学総合研究所研究員
2008年東京大学大学院薬学系研究科助教
2012年JSTさきがけ「細胞機能の構成的な理解と制御」研究員(兼任)
2018年JSTさきがけ「熱輸送のスペクトル学的理解と機能的制御」研究員(兼任)
主な所属学会
- 日本生物物理学会
- 量子生命科学会
趣味
おにぎり