森俊文

A01-PF6
KaiCにおけるATP加水分解反応の分子機構と
温度補償のメカニズムの理論的解明
森 俊文
九州大学 先導物質化学研究所
研究キーワード:
分子シミュレーション Kaiタンパク質 ATP加水分解反応 リン酸化 構造ダイナミクス
WEBリンク:研究室HP researchmap
研究概要
タンパク質はアミノ酸配列によって決まる固有の構造を持ち、その構造が機能を決定すると考えられていますが、実際の構造は、周囲の環境との相互作用などにより大きく揺らいだり状態遷移を伴ったりしており、そのダイナミックな動きの中で機能は発現しています。我々は、分子シミュレーションによって、このタンパク質の動きと機能を分子レベルで理解するための方法論開発と研究を進めています。時計タンパク質KaiCでは、ATP加水分解反応とリン酸化に概日リズムが見られますが、これらの分子機構はまだよく分かっていません。これらの分子レベルでのメカニズムを明らかにするために、これまでに、ATP加水分解反応とリン酸化に関する研究を進めてきました。本研究では、この知見をもとに、近年報告されている多数の結晶構造情報と、理論・構造モデリング・分子シミュレーションを駆使することで、ATP加水分解反応の分子機構と、温度補償性の分子起源の解明に取り組みます。
研究協力者
甲田 信一 (分子科学研究所)
主要論文
- Mori T, Yoshida N. Tuning the ATP-ATP and ATP-disordered protein interactions in high ATP concentration by altering water models. J Chem Phys. 2023 Jul 21;159(3):035102
- Mori T, Saito S. Molecular Insights into the Intrinsic Dynamics and Their Roles During Catalysis in Pin1 Peptidyl-prolyl Isomerase. J Phys Chem B. 2022 Jul 21;126(28):5185-5193.
- Mori T, Saito S. Conformational Excitation and Nonequilibrium Transition Facilitate Enzymatic Reactions: Application to Pin1 Peptidyl-Prolyl Isomerase. J Phys Chem Lett. 2019 Feb 7;10(3):474-480.
- Mori T, Saito S. Molecular Mechanism Behind the Fast Folding/Unfolding Transitions of Villin Headpiece Subdomain: Hierarchy and Heterogeneity. J Phys Chem B. 2016 Nov 17;120(45):11683-11691.
- Abe J, Hiyama TB, Mukaiyama A, Son S, Mori T, Saito S, Osako M, Wolanin J, Yamashita E, Kondo T, Akiyama S. Circadian rhythms. Atomic-scale origins of slowness in the cyanobacterial circadian clock. Science. 2015 Jul 17;349(6245):312-6.
略歴
2005年03月 京都大学理学部 卒業
2007年03月 京都大学大学院理学研究科修士過程 修了
2008年04月 日本学術振興会特別研究員(DC2)
2010年03月 京都大学大学院理学研究科博士後期課程 修了 博士(理学)
2010年04月 Stanford大学 博士研究員
2012年10月 Wisconsin大学Madison校 博士研究員
2013年04月 日本学術振興会海外特別研究員
2013年12月 分子科学研究所 理論・計算分子科学研究領域 助教
2014年04月 総合研究大学院大学 機能分子科学専攻 助教
2020年10月 九州大学先導物質化学研究所 准教授
2020年10月 九州大学総合理工学府 准教授
主な所属学会
- 分子科学会
- 生物物理学会
- 分子シミュレーション学会
趣味
テニス 将棋