久本 洋子

久本 洋子

東京大学
大学院農学生命科学研究科
附属演習林 秩父演習林

研究キーワード:
タケ類 一斉開花 花成遺伝子 遺伝子発現 森林分子生態学

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研究概要

タケ類は67年や120年といった周期で一斉開花し枯死するという特異な生活史を持つ植物です。異なる環境に移植した株が同じ年に開花したことから、タケ類の開花は環境によらず遺伝的に制御されていると推察されてきました。しかし、どのようなメカニズムで開花年になると開花するのかは明らかではありませんでした。そこで、これまでにハチクやモウソウチクといったタケを対象に開花過程や開花後の回復過程を調査するとともに、遺伝子発現解析やトランスクリプトーム解析により開花時期に働く花成関連遺伝子を調べてきました。
本学術変革領域では、日本で独自に管理されてきた開花周期や開花年からの経過年数が記録されている複数のモウソウチク系統を材料とし、モウソウチクのライフステージを擬似的に再構成し、マルチオミクス解析を通じて、「時」をカウントする候補分子を探索することを目指します。

主要論文

  1. 金道知聖・楠本大・後藤晋・久本洋子:地中の障害物がモウソウチク実生の成長および地下茎の伸長に及ぼす影響,Bamboo Journal,32: 11-19 (2021)
  2. Hisamoto Y, Pandey P: Mass flowering of Himalayacalamus falconeri (Munro) Keng f. in eastern Nepal, Bamboo Journal, 31: 31-39 (2019)
  3. Hisamoto Y, Goto S: Genetic control of altitudinal variation on early female reproduction in Abies sachalinensis revealed by a crossing experiment, Journal of Forest Research, 22: 195-198 (2017)
  4. Hisamoto Y, Kobayashi M: Flowering habit of two bamboos Phyllostachys meyeri and Shibataea chinensis analyzed with flowering gene expression. Plant Species Biology, 28: 109-117 (2013)

略歴

2010年3月 東京農工大学 大学院連合農学研究科 博士課程 修了
2010年3月 博士(農学)、東京農工大学
2010年4月~2010年5月 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林・特任助教
2010年6月~現在 現職(東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林・助教)

主な所属学会

  • 日本森林学会
  • 種生物学会
  • 日本樹木医学会

趣味

読書